自動車用ステアリング装置  

ステアリング装置は、ステアリング機構の回転を伝達の直線運動に変え、舵取り力を増幅させる機構である。ステアリング装置は、一般的に自動車のフレームやボディに取り付けられ、舵取り力がこの装置を通過して伝達方向を変え、ステアリングシステムの最も重要な中核部品となる。

ステアリング装置には、ラック＆ピニオン式、ウォームクランクピン式、ボール・ナット式が一般的である。

一、ラック＆ピニオン式：ラック＆ピニオンステアリング：一番よく使われているステアリング装置で、基本構造はかみ合う一組のピニオンとラック＆ピニオンである。ステアリングシャフトがピニオンを回すと、ラックは直線的に動く。ラックは、トラックロッドを直接駆動してステアリングホイールを操縦するために使われることもある。そのため、ステアリング装置の中で最もシンプルなタイプである。 構造がシンプルでコストも低く、ステアリングが高感度でコンパクト、トラックロッドを直接駆動できるなどのメリットがある。

二、ウォームクランクピン式：このステアリング装置 は、駆動部としてのウォームと従動部としてのクランクピンで構成されている。ウォームには台形のねじが設けられており、クランクに指状のテーパフィンガーピンを軸受けし、クランクとステアリングロッカーの軸を統合している。ステアリング時には、ステアリングホイールによってウォームが回転する。ウォームの螺旋溝内のテーパーフィンガーピンは、ステアリングロッカーの軸に沿って円弧運動をしながら自転する。このようにして、クランクとステアリングアームが揺動駆動され、ステアリング伝達機構を通じて、ステアリングホイールを偏向させる。このようなステアリング装置は、通常、舵取り力の大きい貨物自動車に適用される。

三、ボール・ナット式：ボール・ナット式パワーステアリングの主要構造は、機械部分と油圧部分の二つから成り立っている。機械部分は、ハウジング、サイドカバー、アッパーカバー、下カバー、ボールねじ、ラック＆ピニオンナット、ロータリーバルブスプール、ファンギアシャフトで構成されている。駆動ペアとしては、ネジロッドとナットのペアと、ラック、ファン、ファンギアシャフトのペアの二つがある。ネジロッドとラックナットの間にサイクル的に回転可能な鋼球を入れることによって、滑り摩擦を転がり摩擦に変え、伝達効率を高めている。このタイプのステアリングのメリットは、取扱いが楽なこと、摩耗が少ないこと、そして長持ちすること。

製品カテゴリーと概要

一、ラック＆ピニオン式：ラックは45cr鋼、ギアシャフト、ステアリングシャフト、バルブスリーブ、タイロッド外側のボールヘッドは40cr鋼、タイロッドダストカバーはTPV熱可塑性加硫ゴムでできている。ステアリングハウジングは、軽量で引張強度が高く、耐食性、曲げ性、押し出し性が良く、融点が低いため再生が容易なアルミニウム合金またはマグネシウム合金ダイカストで作られている。 CNC旋盤とマシニングセンターは、高精度加工、低摩耗、軽作業、長寿命を実現する日本製のマザック（Mazak）製マシンを使用している。

二、ウォームクランクピン式：ウォームは特殊鋼（組成：カーボン、シリコン、マンガン、クロム、ニッケルなど）製錬、圧延、調質、表皮加工、ベルト研磨、給油、ポリエチレンクロス包装工程管理により、高い引張強度、低温衝撃強度と鋼の安定した硬度を確保し、一般商用車に用いられているものである。

三、ボール・ナット式：製造精度の改善、加工面の高平滑化、ネジロッド・ナットの螺旋溝を焼入れ・研削して十分な硬度と耐摩耗性を持たせ、長持ちさせるなどの構造・技術対策は、商用車では一般的によく使われているものである。

製品説明図

メンテナンスに関する注意点

一、くぼみなどを運転するときは、速度を落とし、ステアリングマシンの負荷を抑えてください。

二、フロントビームを調整し、ステアリングタイロッドを変更するために4輪アライメントを行った後、ゆがみ、変形、不適切な組み立てを避けるために、ダストジャケットに十分気を付け、さもなければ、ジャケットへの損傷を発生する原因となる。

三、グリースの使用のために徐々に潤滑能力が低下するように、劣化、汚れになる。それと同時に摩耗材料が次第に増え、研磨摩耗現象は、ステアリングマシンの摩耗が激化するように、より多くの重いものになる。10万キロごとくらいに、ステアリングマシンのメンテナンス、総合洗浄、グリス補充などの総合的なメンテナンスが必要である。

四、ステアリングマシンは厳しい条件で使用されている、負荷が大きい。そのため、特殊なグリースを使用しなければならない、通常のグリースは、用途に応じて要件を満たすことはできない。

五、ステアリングギアのクリアランスは、使用しているうちに徐々に大きくなってくるので、ステアリングホイールの左右の空気移動量が15度を超えたら、ステアリングホイールの点検をする必要がある。ラックとピニオンの異常摩耗が深刻な場合は、ステアリングアセンブリを交換する必要があり、異常摩耗がない場合は、クリアランスが大きすぎるだけで、調整することが可能だと思われる。専門家による大規模な修理工場に調整する場合は、ハンドルが限界位置まで左右に移動でき、力が均一で柔軟な回転ができるように調整を行ってください。

六、ステアリングマシンのメンテナンスおよび修理は、専門のワークショップをお選びください。ステアリングホイールの調整が不適切な場合、引っかかりが生じ、運転や身の安全が損なわれることが想定される。

インストール手順

一、アッパーベアリングとロアーベアリングをステアリングギアジャーナルに押し付け、インナーベアリングリングと歯の端の間にスペーサーを装着してください。オイルシールを調整ネジプラグに押し込む。ステアリングギアとベアリングを一緒にハウジングに入れてください。調整ネジとオイルシールを取り付け、ステアリングギアのベアリングの締め付けをチェックし、軸方向のゆがみがないこと、ステアリングギアの舵取りトルクが工場出荷時の規定通りであること（通常約0.5Nm）、ロックナットを工場の規定通りに締め付け、ダストカバーを取り付ける。

二、ステアリングラックを入れ、ラックブッシュを取り付ける。

ステアリングラックとブッシュの隙間は 0.15mm 以内にしてください。

三、ステアリングラックガイド、スペーサー、ガイドブロック圧縮スプリング、調整ネジ（スプリングキャップ）をはめ込み、ナットを固定する。

四、ステアリングラックとホイールのかみ合わせのズレを調整する。

調整方法は、一般的に二種類あり、その一つは、ステアリングラックガイドブロックとカバーの間のガスケットの厚さを変えて、ステアリングラックとステアリングギアの歯の噛み合わせ部分の深さを変え、プリロードの調整を行うタイプであり、もう一つのタイプは、カバーの調整ネジでステアリングラックガイドブロックとスプリングシートのクリアランス値を変え、かみ合わせの深さ、即ちプリロードを調整する方法である。

五、ガスケットとラックエンドの取り付け

ステアリングラックエンドとラックの接続は、取り付けの際にしっかりと固定する必要があることにご留意ください。

六、横タイロッドと横タイロッドエンドを取り付け、ステアリングホイールの適切な前方ビームを確実に保持するために、オリジナルのメーカーの規定に沿って、左右の横タイロッドの長さを精査してください。また、水平タイロッド・エンドのボール・ピンのピンチ・アングルは、オリジナルの仕様に準拠している必要がある。調整後、タイロッドクランプを製造元の規定トルクで締め付け、ロックしてください。

ステアリング装置はステアリング機構の回転をトランスミッションの直線運動に変換し、ステアリング力を増加させます。